2014年5月11日日曜日

複雑さと戦略性はベルカーブを描く

昨日、プレイした新作ソーシャルゲームは、バトルシステムに軽い戦略性が導入されていて、リアルタイムに簡単なパズル操作を行うことで、攻撃力を高めることができるようになっていた。最初は工夫次第で攻撃を繰り出せるので面白いバトルシステムだと気に入っていたのだが、そのあとのチュートリアルで武器やキャラクターのガチャが説明され、それらの合成や強化について説明された後、再びバトルをしてみると、違和感を覚えた。複雑な成長要素が加わったため、バトルに勝ったり負けたりした理由が、果たしてバトル中の操作なのか成長のさせかたなのかが分からなくなってしまったのだ。
ほとんどのソーシャルゲームがバトルからアクション性やランダム性や思考性を省いている理由はそこにある。ガシャでマネタイズしているので、バトルに負けたとき、プレイヤーには「もっとガシャしないと」と思わせる必要があるからだ。かといってバトル中にまったく操作させないと臨場感が得られないので、ほんのオマケ程度の効果しかない簡単なタイミング入力や、スワイプ操作をやらせている。
ゲームデザイナーはゲームをゲームとして面白くするため、とかく複雑な要素を入れてしまいがちだが、結果としてむしろ戦略性を落としてしまうことがあるから注意が必要だ。
これは科学の実験やマーケティングにおけるA/Bテストなどでも同じ事が言える。前回より今回のほうが良い結果が得られたとして、その原因を探りたいのであれば、前回と今回の違いは1つにすべきだ。2つ以上の条件がからまってしまうと、いったいどれが原因で結果に差が出たのかがわからなくなる。

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