2014年7月21日月曜日

定年退職者向けビジネスと趣味としてのカメラ

今どきの60歳はヘタな20代より活力があり、しかも定年退職していたりすると時間と金を持て余しているわけで、「元気な定年退職者」向けのビジネスに大きな伸びしろがあることは明白です。
退職した60歳はまず、「若い時にやりたかったけど時間や金がなくてできなかったこと」からやり始めます。それはドライブだったり旅行だったり造園だったりホームシアターだったりするわけですが、とりわけ注目すべきは「カメラ」でしょう。一眼レフに巨大な望遠レンズをつけて三脚に固定し、奇跡の一枚を目指してシャッターチャンスを待つ。時間とお金に余裕がなければできないことで、憧れつつも後回しにしてきた人は多いでしょう。

しかし現金を握りしめてカメラ屋に足を運ぶと、いきなり大きな障害にぶちあたることになります。昔ながらの銀塩カメラはすっかり姿を消し、ほぼ全面的にデジタル化してしまっているからです。
今どきの60歳は確かに元気ですが、パソコンが一般家庭に入り始めたのはここ20年ぐらいの話なので、メールやワードは使えても、グラフィックアプリを使いこなすには至ってません。
いちおうデジタルカメラはメモリーカードを現像屋に持っていけばプリントしてくれますのでパソコンが無くても使えるのですが、フィルムの残り枚数を気にせずにバンバン撮れるのがデジタルカメラの良いところですから、全部プリントしていたらあっという間に破産してしまいます。かといってカメラ背面の小さなディスプレイで、プリントすべき成功作を選出する作業を行うのは、かなり目を酷使する羽目になります。
そこで若い人はどうしているのかというと、Adobeの「Light Room」を使って写真の選別を行っているわけです。

Light Roomは本来デジタル写真の現像を行うソフトですが、多数の写真(ほとんどがゴミ)をパソコンの画面にずらーっと並べ、ましなものに印をつけて選別したり、ダメなものから順に候補から外していって取捨選択したりする便利な機能がついています。露出に失敗した写真を後から修正したり、構図に失敗した写真をトリミングしたり、ゴミが写ってしまった写真を綺麗にしたりすることもでき、デジタルカメラを楽しむには必須と言ってもいいくらいのソフトです。
ただ、パソコンを仕事でしか使っていなかった60代のひとが、適切なパソコンを買い、Light Roomをインストールして設定し、使いこなすとなると、かなり骨が折れることでしょう。途中で挫折してしまう人も多いに違いません。
したがって、定年退職者をターゲットにして、カメラの購入はもちろんパソコンの購入からLight Roomの導入までをわかりやすく案内するビジネスは、今後大きく躍進する可能性があります。
ターゲットを考えるとそれはネットワークサービスではなく、昔ながらの書籍やセミナーといった形をとるべきでしょう。
次に、撮った写真をお互いに見せ合うサービスもニーズが高まるでしょう。現在はFlickrやfacebookがその機能を持っていますが、定年退職者にはリアル世界での展示会やコンテストが向いているはずです。
コンスーマー向けのビジネスはフリーが全盛の時代ですが、定年退職者向けビジネスに関しては有料で全然構いません。昔ながらのマネタイズ手法で良いのです。地域密着型で小さくスタートすることもできるので、誰にでも起業のチャンスがあります。始めるなら今のうちですよ。

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