2014年7月1日火曜日

トランセンデンス Transcendence

このブログのタイトルにもなっているシンギュラリティ(技術的特異点)をテーマにした映画ですからね。迷うこともなく、さっそく鑑賞して参りました。ネタバレはしませんのでご安心を。
Transcendence
まずシンギュラリティについて補足しておきますと、今まで人類の技術はいわば時間軸に対して正比例的に進歩してきたので、10年前はこうだったから10年後はこんぐらい進歩しているだろうと、ある程度予測ができたわけですが、今後人工知能が発達し、人間に具体的に指示をされなくても自分で新技術を開発できるようになると、そもそも計算速度は恐ろしく早いし、休むこともなく24時間働けるし、さらに自分の複製を作ったりすることで、今まで誰も予想しえなかったほど急激な技術革新が発生し、またたくまに世界の様相が変容してしまうのではないか・・・というのがシンギュラリティ(技術的特異点)の考えかたです。グーグルのレイ・カーツワイルは、これが2045年ごろと予想しているため、「2045年問題」と呼ぶこともあります。

さてこの映画では、量子コンピュータにジョニー・デップの脳の情報をアップロードすることで、それを実現しています。人工ジョニーは、まず最初に株で大儲けして資金を調達し、次に広大な砂漠に無数の太陽発電パネルを配備してエネルギーを確保し、その地下にマニュピレータ(ロボットハンド)を備えた実験室をこれまた無数に建造し、ナノマシンからバイオテクノロジーまで様々な技術開発を開始します。もう、むちゃくちゃ興奮するシチュエーションじゃありませんか!そもそも新たなテクノロジーとの遭遇はワクワクするものですが、何年も待つ必要なく、次から次へと驚嘆の新技術が生み出されていくわけです。その先には人類滅亡が待っているのかもしれませんが、その直前までは物凄い超高密度なセンス・オブ・ワンダーを体験できるのですから、いくら科学者がその危険性に警鐘を鳴らしても、行く末を見守りたい欲求を抑えるのは困難です。

登場人物の皆さんはなぜかあまり話し合いをしようとせず、無言で呆然としていたかと思うと突然激しい行動をとったりする人たちばかりなので、正直この物語に入り込んで鑑賞することは難しいと思いますが、シンギュラリティという、夢と危険が隣り合う素晴らしい仮説に触れることで、皆さんなりに想像をふくらませてみてはいかがでしょうか。劇場ではなくレンタルDVDで(笑)。


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