2014年9月23日火曜日

とっくに未来している、EPSON ビジネスプロジェクター

手の動きだけでGUIを操作するマイノリティレポートのあの有名なシーンは、未来の理想的な操作系のイメージとして記憶している人も多いと思います。最近になってKinectやLeapMotionやIntelliSenseがでてきましたし、クラウドファンディングを見ても同様の試作品が資金を募っていたりするわけですが、先日、新宿にあるEPSONのショールームを訪れたところ、「ビジネスプロジェクター EB-1430WT」という、恐ろしく地味な名称で、革新的なデバイスが普通に市販化していることが判明しました。

壁に投影した映像の上で、専用のペン(単3電池が入ってるとのことなので、赤外線LEDを内蔵していると思われます)を使って絵や文字を書くことができます。できたものは映像ファイルとして記録することもできますし、専用のフォーマットで保存すれば、あとで修正することもできます。
さらに写真中央の上部にある小さな装置を取り付けることで、素手で操作することもできます。
同時に認識できるのは指4本程度ですし、壁に手を近づけすぎてしまうと小指の腹の部分が誤認識されてしまったりもするのですが、指をつかってウィンドウを移動・拡大縮小したり、ドラッグ&ドロップしたりする感覚は、まさにマイノリティレポート気分です。初音ミクのライブで使うような透明スクリーンに投影すれば、されにトム・クルーズの気分に浸れるのではないでしょうか。
価格は指入力の無いものが25万円程度、あるものが35万円程度で、企業なら余裕で買えるレベルです。
それにしてもEPSONさん、主力製品にはカラリオとかモベリオとかドリーミオとか素敵な名前をつけて宣伝してるのに、この素晴らしいプロジェクターに対する扱いが軽すぎるのはなぜなんでしょう?

フィットネスジム Konami と JexeR の比較

無料招待券をもらったので、スポーツフィットネスジム「JEXER」の東神奈川店に行って参りました。
トレッドミルの操作部
3フロア使っているとはいえ小さな駅の駅ビルの中なのでスペースに余裕が無いのが残念ですが2年前にできたばかりの施設ですので、とてもきれいで清潔感がありました。
JEXER(ジェクサー)はJRが経営しているのですが、その名称もJとRの間にエクササイズを表すEXEを挟んだものから来ています。駅からのアクセスは最高で、土曜日ということもありましたが、ジムのマシンはほぼ満席、初心者用のレッスンはスタジオいっぱいの人が集まっていました。
初めての利用者は腕に黄色いリストバンドをつけられるのですが、どこのコーナーに行っても黄色いリストバンドを見るや、スタッフのかたが丁寧に説明をしてくれて、その後もちらちらとこちらを気にして困っている素振りを見せれば近づいてきてフォローしてくれます。初心者は最後にアンケートを記入するルールになっているからかもしれませんが、とても気の行き届いたサービスでした。
ただ、残念なのはローテクだったことです。
しばらく通っていたコナミ(本店)もローテクだと感じておりましたが、それでも腕につけたリストバンドで個人を特定し、トレーニング内容や消費カロリーなどがデータベースに蓄積されるようになってました。JEXERも上の写真のように、テレビが見られるトレッミルなど新しい機械を導入してはいるのですが、機器間の連携や実績の記録がいっさいできません。台の上に40秒ほど乗ると、体脂肪率や筋肉率などを体の部位ごとに測定してくれる機械があったのですが、印刷された診断結果の用紙に「前回との比較」という項目があるにも関わらず、実際には紙に印刷したものを目視で比較するしかありません。おそらく、お金をケチって機能が少ない機械を購入したのでしょう。
フィットネスを継続するには向上の自覚が必要であり、そのためにもレコーディングは必須だと思うのですが、いかがでしょうか。

2014年9月8日月曜日

AYATORI by Vinclu

現在Vinclu(ウィンクル)がIndieGoGoで資金調達中の「AYATORI」に出資してみました。
AYATORIはiPhoneのイヤホンジャックに刺して使うヒヨコ型のデバイスで、特定の音声出力に応じて内蔵されたLEDの明るさや点滅速度を変えることができます。
今のところ完成している対応アプリは「AYATORI Match」の1本だけ。これは「コイクール」にちょっと似てますが、事前に興味のあるジャンルを選んでおくと、同じ興味をもつ異性が近づいた場合点滅し、近づくほど速く点滅するというもの。今週、秋葉原で行われる婚活イベントで実験的に導入するそうです。
また開発中のアプリとしては、ミニライブ会場でアーティストがiPhoneのボタンをおすと、会場の客のAYATORIが連動して光るというものもありました。
VincluのCEO武地さんとCOOの安川さんに話をうかがいましたが、とりあえずのところ、婚活系イベントや結婚式の2次会で主催者側が参加者全員に配布する形が応用方法としてはわかりやすそうです。また外側はヒヨコの形である必要はありませんし、量産版では基盤も小さくなるそうなので、キャラクターグッズとして展開することもできます。IFTTTと連携できれば、フィーチャーフォン時代のアンテナアクセサリーのように通知デバイスとして使えそうです。
課題としては価格(IndieGoGoでは25ドルで先行販売中)とiPhoneにしか対応していない点でしょうか。なんとかブレイクスルーしてほしいものです。

2014年9月6日土曜日

スマートウォッチは遊べるか? スマートウォッチ用ゲームアプリの予想

ベルリンで開催中の世界最大規模の家庭用エレクトロニクスショー「IFA」において、各社から一斉にスマートウォッチが発表され、市場が活気づいています。Appleも来週iWatchを発表するのでは?と見られており、それに対抗してGoogleもGoogleWare2.0を準備中との噂があります。
Moto360
ただ、価格は2万円以上しますし、電池の寿命は短く、スマートフォンとの連携も必要なものがほとんどなので、普及にはまだ時間がかかりそうです。画面が小さいぶん、この画面をいかに奪いとるかというアプリ間の競争も激化するでしょう。当初は時間表示のほか、プッシュ通知に使われることがメインでしょう。電話、メール、SNSの書き込み、天気予報、株価変動などの通知が、常に視野の中に表示されるため、見逃すことがなくなります。ただ、最初は嬉しいですが、常に時間に追われているようでせわしなくて、疲れてしまう人もでてくるでしょうね。本当に重要な通知以外は遠からずOFFにされるでしょう。
スマートウォッチは画面が小さく、さらに画面をタッチする際も指が画面を覆ってしまうという欠点があるので、ゲームにはなかなか不向きと言えます。ただ、特に意識する事無く日常的に持ち運ぶことができるため、ちょっとした暇な時間を埋めるような軽いゲームアプリには需要があるはずです。
上図にマッピングしましたが、もっとも多くの人に受け入れられるのは、たまごっちのようなキャラクター育成系アプリです。たまごっちがそうであるように、画面が小さくてもボタンが少なくても問題なく遊べます。スマートウォッチに内蔵されたバイオセンサーやGPSなどによるライフログがキャラクターの成長に反映すれば、、さらに思い入れも強くなりそうです。
Ingressは足が棒になるほど歩き回ることになるので疲れますが、もっと気楽に遊べる位置ゲーも多くのユーザーを獲得するでしょう。それこそ妖怪に時計が反応して、ミニゲームで捕獲したりやっつけたりするゲームなど。
そして十分にスマートウォッチが普及した後には、マルチスクリーンゲームも、一定の人気を得そうです。1台のスマホをゲームボードとし、スマートウォッチを操作して多人数で遊ぶゲームです。各自が完全に別のスクリーンを見て遊ぶ従来のゲームより、一体感が得られます。
iPhoneとAndroidのマルチプラットフォーム開発だけでも大変だったのに、今後はiWatchとAndroidWareの互換性まで考えなければならないとすると、開発者は大変ですけどね。

2014年8月24日日曜日

IFTTT ( IF This Then That ) のレシピ・ランキング

IFTTT ( IF This Then That )とは、2つのネットワークサービスを連動させるルール(レシピと呼びます)を作ることができるネットワークサービスです。
プログラムが組めないひとでも、4つの手順を踏むだけで簡単にレシピづくりができます。
  ①送信側のサービスを選ぶ。
  ②送信条件(トリガー)を選択肢から選ぶ。
  ③受信側のサービスを選ぶ。
  ④受信時のアクションを選択肢から選ぶ。
これだけです。
すでに100種以上のサービスが登録されており、多くのユーザーが便利そうなレシピを作っているので、個人的に「これは便利そう!」と思ったレシピのベスト10を発表します。

【10位】
雨が降りそうならスマートフォンに通知する(Rain tomorrow? Get an iOS Notification)
【9位】
SMSにメールすると自分の電話が鳴る(Text to escape)
 ・退屈なミーティングから抜け出したいときに使います。
【8位】
メールに重要マークをつけたらリマインダーにも記録する(If I star an email in Gmail, create a reminder to take care of it.)
【7位】
PocketでLikeした記事をEverNoteに送る(Save a favorited item in Pocket to Evernote)
【6位】
メールの添付ファイルをGoogleDriveに保存(Save my email attachments to Google Drive)
  ・もちろん保存先としてDropBoxを選ぶこともできます。
【5位】
リマインダーで達成した項目をGoogleカレンダーに記録(Log all of my completed goals in Google Calendar)
  ・やったことの記録が自動的にできますね。
【4位】
自動カエルコール(Text my wife when I leave work)
  ・家に近づいたら家族に通知します。
【3位】
500pxのエディターズ・チョイスを壁紙にする(500px Editor's Choice to Android Wallpaper)
  ・オフィスの壁かけモニターにいいですね。
【2位】
自分宛てにヴォイスメール(Note to self)
  ・ITFFF宛に電話をすると、MP3が添付されたメールが送信されます。
【1位】
CDCがゾンビ汚染拡大を報告したら通知(Text me if the CDC reports a Zombie outbreak)
  ・ほぼ起動することのないレシピだと思いますが、4800人が登録しているそうです。みんなアホですねー。

以上。組み合わせしだいで面白いことができるものですね。

クラウドビット(cloudBit)の応用例

littleBits発案者のアヤ・ブデールによると、littleBitsによってキックスターターのプロダクトのうち70〜80%は試作が可能とのこと。
その真偽はともかく、littleBitsによって試作が簡単にできることは事実ですし、多くのユーザーが様々なアイデアを投入することで、そこから次の時代を変えるような革命的デバイスが生まれる可能性はあります。
そこでlittleBitsのオフィシャルサイトで紹介されているcloudBitの応用例のうち、これは!と可能性を感じさせてくれるものを紹介しようと思います。

天気予報が雨だと光る傘立てRainCloud Umbrella Minder
・高い金を出して買う気にはなれませんが、あったら便利ですよね。

スマートフォンからエアコン操作Smart AC Unit
・帰宅時間が安定していない人の場合、エアコンのタイマー機能は使えません。出先から
  ショートメールを打つことで自宅の冷房をかけられたら便利です。
 ・エアコンは滅多に買い替えるものではないので、ネットにつながる新製品を待つより、
  littleBitsでリモコンを操作してしまったほうがずっと手早いですね。

冷蔵庫警報機Fridge Alert!
・冷蔵庫は扉を開けると自動的に照明がつきますから、照度センサで簡単に作れそう
  ですね。

赤ちゃんが泣いたらメッセージ送信。風車も回す。Remote Crib Communicator
・あくまで福次的手段として使いたいところですけどね。

お次はIFTTTに登録されているレシピからのチョイスです。

応援しているチームに関するニュースが流れたら応援歌を流すIf ESPN has breaking news for my home team, play my team's fight song.

猫が猫ドアをくぐるたびにGoogleスプレッドシートに記録Every time my cat uses his cat door, record the date and time on a spreadsheet.
毎朝10時にペットにエサをやるFeed my fish every day at 10am with littleBits Remote Pet Feeder

とりあえず以上です。cloudbitは発売から間もないですし、まだまだこれから新しいアイデアがでてくると思います。

littleBits をクラウドにつなげる CloudBit

磁石でユニットをつなげるだけで電子工作ができる「littleBits(リトルビッツ)」に、無線LANを介してクラウドにアクセスするためのモジュール「CloudBit」が追加されました。
通信には無線LAN環境が必要であり、マイクロUSBによる電源供給も必須なので、ウェアラブルには向きませんが、驚くほど簡単に、家庭内でのIOTデバイスを作れます。

CloudBitsにできること

いちばん単純なのはスマートフォンやPCからの遠隔操作です。あらかじめCloudBitsと同期したWebページに行くと、丸いボタンとスライドゲージがありますので、これでlittleBitsにon/offのデジタル信号か、0〜100のアナログ信号を送ることがきます。
CloudBitsにモーターをつければ呼び鈴を遠隔操作したりできますし、近日発売予定の家庭用電源on/offユニットや、赤外線送信ユニットをつなげば、家電の操作もできるようになるでしょう。
 

次にCloudBitsができることは、IFTTTと連動している各種サービスとの入出力です。
IFTTTはもともと様々なウェブサービスをあらかじめ設定したルールに基づいて連動させるサービスです。例えば「天気予報が雨に変わったらメールを送る」とか、「facebookでいいね!した記事をPocketに送る」といったことができます。
このサービスの対応サービスの中にlittleBitsが加わったことで、ルールを作成する際に、入力側が出力側としてlittleBitsを指定してやることで、簡単に連動が実現してしまうわけです。

上の写真には3つのルール(レシピと呼びます)が並んでますので順に説明します。

①毎時0分、littleBitsに信号を送信する。
・時報とともに人形が動く、からくり時計が作れますね。

②littleBitsで何か入力されたら、その時間をGoogleスプレッドシートに送る。
・ドアに曲げセンサー(bend sensor)をつけておけば、毎日の入退室数を集計することができます。

③littleBitsで何か入力されたら、スマートフォンにメッセージを送る。
・廊下に動体センサ(motion trigger)をつけておけば、誰かが廊下を通るたびに、スマートフォンに通知できます。

より複雑なことをしたければ、Arduino at HeartやAPIを使う必要がありますが、そこまでしなくても、いろいろと楽しい事ができそうですね。
なんか、littleBitsの応用範囲が一気に広がったような気がします。