2014年6月15日日曜日

Social Gameの将来性

ソーシャルゲーム界はGREE/DeNAがブラウザからネイティブへの移行に苦戦する中、パズドラやモンストが好調で、主戦場はネイティブ&ストア直置きに移行しています。ネイティブアプリと言っても、単に演出を強化しただけのものはコケており、パズドラのようにブラウザアプリでは得られない操作の爽快感を実現したり、モンストのオンサイト同期協力プレイのような、新しいプレイスタイルを導入したりなど工夫したものが成功しています。
ではソーシャルゲームは今後どのような方向に進んでいくのでしょうか?
正直、カードコレクションのようなシングルプレイに重きをおいたものは、しばらく低迷すると思います。ネイティブらしさを追求していくと、結局、コンソールゲームと同じ過程をなぞることになります。最初はいいですが、目新しさが弱くなると、そのぶん物量か品質を強化しなければならず、次第に費用対効果が悪化していきます。いつか充分に感情移入できるほど優秀な人工無能が現れればブレクスルーすると思うのですが、まだその出現には時間がかかりそうです。
いっぽう、マルチプレイに重きをおいたソーシャルゲームは、まだまだ発展途上です。
マルチプレイといっても「協力型」と「対戦型」、「同期型」と「非同期型」というように様々なタイプががありますが、私が未開拓に思えるのは、プレイヤーどうしの関係性です。
この点に注目すると、従来の分類では以下のように3つのタイプがありました。

①クラン型(クラッシュオブクラン。ゲーム内で長期的なチームを組む)
②アドホック型(キングダム・コンクエスト。たまたまその時間に居合わせた者と組む)
③オンサイト型(モンスター・ストライク。リアルに集まって遊ぶ)

①はオーソドックスなタイプで、人とのつながりが強いため使命感も感じやすく、エンゲージメントも強くなりますが、負担も大きく、だんだん面倒くさくなるという問題があります。
②も昔からあるスタイルです。とても気軽ですが、まったくの赤の他人とプレイするので、協力するにせよ敵対するにせよ、熱くなれません。
③はターゲットが日本の学生に絞られてしまいますが、今後も増えていくでしょう。ただ、課金額が高い大人は集まってプレイすることがありませんし、親が学校に送り迎えすることが多い海外の市場でも広がりにくいでしょう。

このようにそれぞれ欠点を含んでおりますので、これらの問題を解決するような、プレイヤー同士の関係づくりに成功すれば、パズドラやモンスト、ひいてはキャンディークラッシュやクラッシュオブクランズに続くヒットを狙えるのではないかと思います。詳しく言うと、

  • 煩わしい人間関係を感じずに気楽に遊べるが、
  • 仲間に協力したいという欲求や、相手を倒したいという欲求を強く感じることができ、
  • 大人や海外市場でも受け入れられる関係性

を導入すればいいわけです。

無理そうな印象を受けるかもしれませんが、たとえば②を基本として「インテリジェントなマッチング」を導入することがひとつの解決策です。あくまで、その場限りのチームではあるのですが、「勝敗よりも楽しい時間を過ごしたい」、「勝つことがすべて」といった哲学や、「まったり気軽」、「死ぬ気でプレイ」といったスタイルなどでくくって仲間を募ったり、対戦相手を選んだりできるようにするわけです。
不調のモバグリも、こういった機能をアプリに提供できれば、プラットフォーマーの強みを挽回できるのではないでしょうか。

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